Excelで分割地域メッシュ(2分の1、4分の1、8分の1地域メッシュ)の作成方法

Excelで分割地域メッシュ(2分の1、4分の1、8分の1地域メッシュ)の作成方法

ツールの使い方も分からないが、地域メッシュを使って統計作業をしたい。

手持ちにデータはないし、有料のデータを購入するお金もない。

なので独自にマスタを用意したい!

という急遽ヘルプで入った難解な仕事で、

地図(メッシュコード)に関しては1から色々なサイトで調べました。

ダイレクトに解決できるサイトが見つからず、最終的には自力で解決しました。

困っている方がソコソコいそうなので、解説しながら記事を書こうと思った 管理人のねとふくです。

 

メッシュコードとは?

統計作業を行う上で緯度、経度のデータを基に、

地域をほぼ同じ大きさの網の目(メッシュ)に分ける事を地域メッシュと呼ぶそうです。

それぞれのメッシュに附番されるメッシュコードについては、附番する為のルール(計算方法)が

あります。

ちなみにメッシュコードは、使用したいメッシュの大きさにより桁数がかわります。

詳しくは、こちらの総務省統計局のサイトや区分図をご覧いただいた方が良いと思います。

 

私のサイトではサンプルとして

東京都庁(東京都新宿区西新宿2丁目8-1)を例にメッシュコードを記載します。

緯度、経度の調べ方は、記事の一番下に参考リンクとしてGeoloniaを紹介しますが、

西新宿2丁目は、緯度35.689450、経度139.691774です。

8分の1地域メッシュ(125mメッシュ)であればメッシュコードは53394525323となります。

区画の種類 桁数 メッシュコード例 緯度の間隔 経度の間隔 一辺の長さ
第1次地域区画 4 5339 40分 1度 約80km
第2次地域区画 2 533945 5分 7分30秒 約10km
第3次地域区画 2 53394525 30秒 45秒 約1km
2分の1地域メッシュ 1 533945253 15秒 22.5秒 約500m
4分の1地域メッシュ 1 5339452532 7.5秒 11.25秒 約250m
8分の1地域メッシュ 1 53394525323 3.75秒 5.625秒 約125m

地域メッシュコードの取得方法

総務省統計局の市区町村別メッシュコード一覧でダウンロードできるのは、

下記のように第3次地域区画の8桁までのメッシュコードとなります。

1辺が約1kmの正方形のデータです。

それよりも詳細なデータが欲しいとなると、私が調べた限りでは3パターンが存在していました。

総務省統計局の地域メッシュ統計の特質・沿革.pdfの計算式で計算する。

Geocode Viewerで表示項目を地域メッシュにして調べる。

・データを購入する。

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地域メッシュコードの計算式

計算式については、

総務省統計局の地域メッシュ統計の特質・沿革.pdf 13ページに記載があります。

ただし、ここで紹介されているのは4分の1地域メッシュまでです。

地域メッシュについては、

1辺の長さが 500→250や250→125と1/2となるだけなので、

同じ公式が使用できます。

8分の1地域メッシュコードについては、

緯度の間隔、経度の間隔の値を秒に、当てはめて計算してあげれば良いです。

p = 第1次地域区画 上2けた

緯度 × 60分 ÷ 40分 =  p 余り a

u = 第1次地域区画 下2けた

経度 - 100  = u 余り f

q = 第2次地域区画 上1けた

a ÷ 5分 = q 余り b

v= 第2次地域区画 下1けた

f × 60分 ÷ 7分30秒 =   余り g

r = 第3次地域区画 上1けた

b × 60秒 ÷ 30秒 = r 余り c

w= 第3次地域区画 下1けた

g × 60秒 ÷ 45秒 =  w 余り h

m = 2分の1地域メッシュコード 1けた

(s × 2) + (x + 1)  = m

c ÷ 15秒 = s 余り d

h ÷ 22.5秒 = x 余り i

n=4分の1地域メッシュコード 1けた

(t × 2) + (y + 1)  = n

d ÷ 7.5秒 = t 余り e

i ÷ 11.25秒 = y 余り j

o=8分の1地域メッシュコード 1けた

(k × 2) + (l + 1)  = o

e ÷ 3.75秒 = k

j ÷ 5.625秒 = l

Excelでそれぞれのメッシュコードを求める

東京都庁(東京都新宿区西新宿2丁目8-1)

西新宿2丁目は、緯度35.689450、経度139.691774ので実際に計算し、

8分の1地域メッシュ(125mメッシュ)のメッシュコードが、

53394525323になるか確認しました。

標準地域メッシュ(第1次メッシュ~第3次メッシュ)データ

Excelの関数を用いて緯度、経度から計算する方法を紹介しているサイトでは、

第3次地域区画までのメッシュコードを1セルで計算させるものでした。

こちらのサイトで紹介するのは、

シンプルに1セルに対してそれぞれの区画・桁ごとで計算し、

各セルで計算した値を&で組み合わせするものとしました。

p = 第1次地域区画 上2けた

p=LEFT([緯度]*60/40,2)

u = 第1次地域区画 下2けた

u=LEFT([緯度]-100,2)

q = 第2次地域区画 上1けた

q=LEFT(MOD([緯度]*60,40)/5,1)

v= 第2次地域区画 下1けた

v=LEFT(MOD([経度]-100,1)*60/7.5,1)

r = 第3次地域区画 上1けた

r=LEFT(MOD(MOD([緯度]*60,40),5)*60/30,1)

w= 第3次地域区画 下1けた

w=LEFT(MOD(MOD([経度]-100,1)*60,7.5)*60/45,1)

分割地域メッシュ(2分の1地域メッシュ~8分の1地域メッシュ)データ

余りのデータが欲しいのでどうしてもMODが多くなってしまいますが、

計算式はこのようになります。

m = 2分の1地域メッシュコード 1けた

m=(s × 2) + (x + 1) 

s=LEFT(MOD(MOD(MOD([緯度]*60,40),5)*60,30)/15,1)

x=LEFT(MOD(MOD(MOD([経度]-100,1)*60,7.5)*60,45)/22.5,1)

n=4分の1地域メッシュコード 1けた

n=(t × 2) + (y + 1) 

t=LEFT(MOD(MOD(MOD(MOD([緯度]*60,40),5)*60,30),15)/7.5,1)

y=LEFT(MOD(MOD(MOD(MOD([経度]-100,1)*60,7.5)*60,45),22.5)/11.25,1)

o=8分の1地域メッシュコード 1けた

o=(t × 2) + (y + 1) 

k=LEFT(MOD(MOD(MOD(MOD(MOD([緯度]*60,40),5)*60,30),15),7.5)/3.75,1)

l=LEFT(MOD(MOD(MOD(MOD(MOD([経度]-100,1)*60,7.5)*60,45),22.5),11.25)/5.625,1)

 

参考サイト

記事内に参考サイトや資料についてリンクを貼っていますが、マスタ化するのに必要なデータを

提供されているサイトなどもご紹介いたします。

esriジャパン

無償で使えるデータへのリンクや、GIS基礎解説など有用なサイトがまとまっていますので

ご自身で検索されるよりこちらのサイトを確認した方が早いものもあります。

esriジャパン:https://www.esrij.com/

GIS基礎解説:https://www.esrij.com/gis-guide/

Geosense(ジオセンス)

ジオコードビューアという8分の1地域メッシュコードまで確認できるツールを提供されています。

Geosense:http://www.geosense.co.jp/

Geocode Viewer:http://www.geosense.co.jp/map/tool/geoconverter.php

全国の町・丁目レベルの住所データ

オープンデータとして提供されています。

日本全国の大字・町・丁目レベルまでのデータを緯度・経度付きで提供されていますので、

Excelでメッシュコードを付与すれば8分の1地域メッシュコードのマスタが作成できます。

https://geolonia.github.io/japanese-addresses/

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